第464章 触れ合う

福江良平は玄関の物音に気づくと、ふいに振り返り、そこに立っていた女を信じられないという目で見つめた。

立ち上がり、彼女のそばへ歩み寄る。両手を肩に置いた。

「こんな時間に……どうして来た」

千葉清美は顔を上げる。瞳の奥で、星のような光がきらりと揺れた。

「会いたくなったんです。だから、来ました」

福江良平の口元がわずかに緩む。手を上げ、そっと彼女の頬に触れた。

――やっぱり、機嫌が悪い。

清美は胸の奥でつぶやく。雲田水介が今日口にした言葉が、彼を相当追い詰めたのだろう。

彼女は下でコートを脱いできた。いま身につけているのは、絹のロングドレスだけ。薄い布地が体の線にやわらかく寄...

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