第506章 虐待

守谷栄は首を横に振った。

「清美、この件を深刻に考えすぎだ。雲田幸也のことなら、清美が証明してやれるだろ。完全な意思能力があるって。そうすれば、あいつは自分の権利を行使できる」

そこへ雲田幸也が口を挟む。

「清美が言ってるのって、今日、弁護士とサインした書類のこと? 福江良平が俺に回したもののこと? 悩まなくていいよ。必要になったら、俺は全部返す。俺には要らないし、そもそも分からないんだ」

千葉清美はそっと彼の手を叩いた。

「あなたは何も気にしなくていいの。雫ちゃんに腎臓をひとつ提供してくれるだけで、もう感謝してもしきれないわ。だって、誰にでもできることじゃないもの。わたしなら……...

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