第514章 運転手の手がかり

山口はそっと手を引き抜いた。

「……あなたのこと、知りません……」

傍らの高橋北と中村颯太は目を見開き、怯えたように互いを見合わせる。

中村颯太が一歩前へ出た。

「山口さん、俺は中村颯太です。ボスの秘書みたいなもんで……覚えてますか?」

山口は彼をじっと見つめ、必死に何かを探るような目をした。

ふいに、瞳がぱっと明るくなる。

「覚えてる! お前は……」

次の瞬間、両手で頭を抱えた。顔を歪め、苦しそうにうずくまる。

「覚えてる、覚えてるのに……どこで会ったか、思い出せない……っ。ああ、痛い……!」

頭を抱えたまま、呻き声が病室に響く。

医師と看護師が駆け込んできた。

「...

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