第589章 晴天の霹靂

金田千児は首を横に振った。

「戻らない。廊下を少し歩きたいだけ。部屋で一日中座ってたら、ちょっとクラクラして……」

乳母が慌てて身体を支える。

「お嬢様、でしたら外の庭園を少し散歩いたしましょう。廊下はがらんとしておりますし、見ても面白いものはございません」

金田千児は小さくうなずいた。

「そうね。たぶん……新鮮な空気が必要なのかも」

階下の庭園には涼しい風が通り、花の香りがふわりふわりと運ばれてくる。

金田千児はゆっくりと歩を進めた。

乳母が寄り添いながら言う。

「お嬢様、この病院の庭園は少々手狭でございますね。お城の庭園とは比べものになりません。花の種類も限られておりま...

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