第171章 尾行

(牧野結菜の視点)

午後三時。私は商品のUIを一式修正していた。そんなとき、スマホがぶるっと震える。平山里穂子からだった。

「結菜、いい? 落ち着いて聞いて。慌てないで」

声はひどく低いのに、早口だ。

「さっきね、兄が福山真司から山ほどメッセージを受け取ったの。全部、あなたのこと。今日何を着てるか、何時に出るか、誰と会うか――全部知ってるって」

ペンを置く。指先が、じわじわと強張っていく。

全部、知ってる?

どうして。どうやって。

ひとつの考えが浮かんだ瞬間、頭から氷水を浴びせられたみたいに背筋が冷えた。

「兄が言ってた。あいつ、結菜のこと尾行してるって。しかも一回や二回じ...

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