第179章 パスワード

(福山真司の視点)

留置場の硬いベッドが背中に食い込み、鈍い痛みがじわじわ広がる。壁にもたれ、膝を立てたまま、向かいの白い壁を見つめていた。

ここに入って三日目。スマホも、パソコンも、連絡手段は何ひとつない。会社が今どうなっているのかも、福山圭が何をしたのかもわからない。――彼女が、いま何をしているのかも。

目を閉じる。

入る前、木村さんに二度目の上訴手続きを頼んだ。上訴の有効期間は十五日。計算上、十日で出られれば、残り五日でまだ間に合う。だが、いま俺が気にしているのは、そんなことじゃない。

気になっているのは、あのメールだ。

半月ほど前、情報セキュリティ関係の知人を通じて、ある...

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