第183章 心理アンカー

【福山真司の視点】

俺は病院の最上階にあるVIP病室へ移された。完全クローズドの管理で、廊下の突き当たりにはボディーガードが二人。関係者以外、立ち入り禁止。

岩瀬がベッド脇に控え、スマホがひっきりなしに鳴っている。声を落として何本か電話を受けていたが、全部会社からの連絡らしい。切ったあと、岩瀬は俺を見て、言い出しにくそうに口を閉ざした。

「……言え」

喉が焼けるみたいに乾いていた。

「おじいちゃんが、医者のオフィスにいます。主治医は青山さんで……うちがずっとお世話になっている先生です。診断の結果が出ました」

岩瀬はさらに声を潜めた。

「想定より複雑だそうです。高校のとき、お父様...

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