第198章 人道主義

(牧野結菜の視点)

岩本源からメッセージが届いたのは、夜も更けた十一時過ぎだった。

『寝てる?』

返事を打つ間もなく、続けてもう一通。

『いい知らせ。控訴、勝てる。ほぼ確定』

胸の奥がふっと温かくなる。あいつは普段ふざけてばかりなのに、肝心なところは絶対に落とさない。

よし、返そう――そう思って画面に指を置いた瞬間、上部に「入力中…」が出たり消えたりを繰り返し始めた。消えては出て、出ては消えて。ほぼ一分。

眉がわずかに上がる。

……変だ。

岩本源は、言葉を選んでタイプするような男じゃない。思ったことをそのまま投げてくる。なのに、こんなに逡巡するなんて。

要するに、聞きたい...

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