第202章 彼女のためにあの道を守る

(福山真司の視点)

岩瀬が来たとき、後ろにもう一人――外で張っていた手下、鉄也を連れていた。二人とも、部屋に入った瞬間から顔色が冴えない。岩瀬はガラスの仕切りの向こうにファイルを置き、表紙をめくるなり、いつもより一段早い口調で言った。

「福山社長。村山愛未が昨夜、幸村千弘に連絡を入れました。今朝8時、グランドホテルのカフェで会う約束です」

俺は目を上げ、背筋を正した。胸の奥を何かが押した。緊張じゃない。予想どおりの、うんざりする感覚――あの女は、絶対に大人しくしない。

岩瀬が鉄也に顎をしゃくる。

「見たままを、社長に」

鉄也が一歩前に出て、声を落とした。隣の留置所にでも聞かれたく...

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