第214章 関係者以外

(福山真司の視点)

早朝、入院病棟のエレベーターが「チン」と鳴って開いた。

岩瀬が車椅子を押して、俺を廊下へ出す。蛍光灯はもう点いていて、白さが目に刺さる。パジャマ姿のまま、外出用に羽織った上着は出がけに適当に引っかけただけで、ボタンも二つしか留まっていない。昨夜、胃の持病がぶり返して半晩血を吐き、救急に担ぎ込まれた。点滴を四本打って、ようやく止まった程度だ。医者は三日入院して経過観察と言った。俺がベッドにいたのは、たった六時間。夜が明けるのを待って、岩瀬に車椅子を押させてここまで来た。

「集中治療室は何階だ?」

「七階です」岩瀬の声が、やけに歯切れ悪い。「福山社長、幸村家の方が向こ...

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