第215章 誰に資格があるか

(福山真司の視点)

会ってくれるだろうか。

三年だ。三年の冷たい仕打ち。三年の無視。そこに村山愛未の執拗な追い打ちまで重なった。誰だって、俺の顔なんて二度と見たくないと思うだろう。岩瀬の返事を待たず、俺は目を閉じた。

「……戻してくれ」

岩瀬はコップを置き、音を立てないように車椅子を押して病室を出た。

廊下を転がる車椅子。ゴムのタイヤが床の目地を踏むたび、かさ、かさ、と細かな音がする。目は開けない。それでも、どこを通っているかはわかった――集中治療室の角、白い扉、彫像みたいに微動だにしない二人のボディーガード。やがて距離が伸び、あの扉が視界から消えるほど遠ざかっていく。

病室に戻...

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