第228章 三年経ってやっと覚えた

【福山真司の視点】

帝京市の、もう一つの病院。

俺はベッドの背に身体を預け、看護師に借りた古い携帯を握りしめていた。画面の光が頬を照らして眩しい。けれど目を逸らせない。

俺の番号は平山里穂子にブロックされている。岩瀬に別の番号を借りて、あのメッセージを送った。

送信完了。

返事を待つ数秒が、やけに長い。心臓の音を数える。

一つ、二つ、三つ。

見ているのか。返してくるのか。――それとも、削除するのか。俺を、彼女の人生から最後の痕跡ごと消すみたいに。

画面が点いた。

奪い取るように手を伸ばし、指でさっと開く。平山里穂子からの返信を、上から一行ずつ読んだ。

牧野結菜じゃない。平...

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