第230章 もう夢から覚める時間だ

【牧野結菜の視点】

平山里穂子がドアの外から入ってきた。腕の中には、ひまわりの花束がどさり。

大ぶりの黄色い花びらが、ぱっと開いた顔みたいに光のほうを向いている。

里穂子はそれを花瓶に挿すと、こちらを振り返った。目の縁はまだ少し赤いのに、もう笑っていた。

「結菜、さっき外で一人止められてたんだけど。誰だと思う?」

「誰?」

「福山真司の秘書、岩瀬さん。サプリ持って来てたんだけど、幸村千弘さんのところの人にそのまま追い返されてた」

「本人は来てないの?」

「来られるわけないでしょ」里穂子はベッドの端に腰を下ろし、私の掛け布団をきゅっと引き上げる。「福山の爺さんが『病室から出るな...

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