第25章 お粥はとても美味しい

(福山真司の視点)

俺は、唇を重ねた。

優しいやつじゃない。ぶつかるみたいに触れた瞬間、自分でもどうしてそんなことをしたのかわからなかった。

胃はまだ痛い。口の中は苦みでいっぱいだ。ゴーヤみたいな苦さ。冷めたブラックコーヒーみたいな苦さ。なのに、彼女の唇だけはあたたかい。粥の湯気をほんの少し含んでいて――この場で、唯一まだ生きているものみたいだった。

牧野結菜は逃げもしない。抵抗もしない。俺に押さえつけられたまま、ぴくりとも動かない。石みたいに。

俺はそこで止まって、目を開けた。

結菜は目を閉じていなかった。まっすぐ俺を見ている。静かで、どこか麻痺したみたいな視線。頭から冷水をぶ...

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