第45章 ブロックした後

(福山真司の視点)

俺は路肩に座り込んでいた。まるで、世界中から捨てられた野良犬だ。

夜風が頬を撫でる。初秋の冷えが、じわりと肌の上を滑った。汗でびしょびしょになったシャツが背中に貼りつき、冷たくて、べたついて、やけに不快だった。

隣で村山愛未が何か言っている。けれど、一言も入ってこない。声はガラス越しみたいに遠く、輪郭のないぶうんという雑音にしか聞こえなかった。

岩瀬が駆けつけたとき、目に映ったのはそんな情けない光景だったのだろう。時価総額だの資産だのが千億だの何だのと言われる社長が、ネクタイを曲げ、シャツを皺だらけにして、酒臭い息を吐きながら路肩に座り込んでいる。隣では村山愛未が...

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