第137章

これまでずっと、白井雪葉には世話になりっぱなしだった。もし彼女がトラブルに巻き込まれているのに、それを見て見ぬふりをするような真似をすれば、良心が咎める。

黒川綾が様子を見に行くべきか迷っていると、不意にオフィスルームのドアが開いた。

白井雪葉の様子は明らかに尋常ではない。彼女は開口一番、黒川綾の名を呼んだ。

「黒川綾、ちょっと来て」

同僚たちは、とばっちりを恐れてすぐに首を引っ込める。

白井雪葉のただならぬ剣幕に、黒川綾も不安を覚えずにはいられない。

彼女はおずおずと立ち上がり、恐る恐るオフィスのドアを押し開けた。

「雪葉さん、何か御用でしょうか」

白井雪葉は黒川綾を見つめ...

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