第250章

「村の人間じゃなきゃ、ここから抜け出すなんてまず不可能だ」

「まあいい、それだけ聞き分けがいいならチャンスをやる。だがお前の携帯はここにはねえぞ。金を用意する方法を考えろ。金さえ手に入れば、見逃してやることも考えてやってもいい」

黒川綾はそれを聞くと、即座に首を横に振った。冷ややかな視線を鈴木芳子の弟に向ける。

「『考えてやる』じゃなくて、これは『取引』です。私を解放して初めて、貴方にお金を渡せる。そうでなければ、私はいつでもその送金を取り消す権利があるんですから」

鈴木芳子の弟は、理解が追いつかないといった顔をした。

「はあ? 一度振り込んだ金を取り消すだあ? 寝言言ってんのか」...

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