第257章

「黒川綾にせよ鈴木芳子にせよ、私の会社の人間だわ。この件について口を挟む権利くらい、あるはずでしょう?」

白井雪叶が何より案じていたのは、黒川綾の身の上だった。

黒川綾は普段、仕事に対して人一倍責任感が強く、自ら休暇を願い出るようなタイプではない。それなのに、今回これほどの長期病欠を取るなど、常識的に考えてあり得ないことだった。

彼女は水原拓真の前に詰め寄ると、その瞳を覗き込み、改めて問い質した。

「綾はいったい何の病気なの? 彼女は家にいるの? 今日の仕事が終わったら、お見舞いに行きたいと思っているのだけれど」

執拗に食い下がる白井雪叶の様子を見て、水原拓真はこれ以上隠し立てする...

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