第271章

山崎景年は表情一つ変えず、白井雪叶の手から己の手をそっと引き抜いた。

「互いに未練を断ち切って別れると決めた以上、過度な接触は避けるべきだ。変な誤解を招きたくないからな」

山崎景年の氷のような冷徹さを目の当たりにし、白井雪叶の胸は鉛を飲み込んだように重く沈んだ。別れを決めたのは自分自身であるはずなのに。

だが、実際に彼の口からその言葉を聞かされると、心の奥底が震え、痛みが走るのを抑えきれない。

白井雪叶は唇の端を歪めて自嘲気味に笑うと、手を引っ込め、力強く頷いた。

「……あなたの言う通りですね。もう私たちは他人同士、何を期待していたんでしょう、私。結局、最初から最後まで、あなたの心...

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