第273章

黒川綾は白井雪叶の笑顔を見て、小さく頷き返した。

「あなたがこの難局を乗り越えられると信じていました。ちょうどよかった、相談したい案件があるんです」

黒川綾はそう言いながら設計図を手に取り、白井雪叶と共にオフィスへと入っていった。

白井雪叶のコンディションはかつてないほど良好だった。黒川綾の設計図に対して、彼女自身も気づかなかった核心的な問題を次々と指摘していく。

その変貌ぶりを目の当たりにして、黒川綾の胸には安堵が広がった。これなら、以前しようとしていた弁解じみた言葉も、もう必要ないだろう。

黒川綾の視線が自分に注がれていることに気づき、白井雪叶は不思議そうに目を丸くした。

「...

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