第276章

「水原ジュエリーの方が本当にあなたの手を必要としているなら、遠慮せず向かってちょうだい。こっちの仕事は私が引き受けるし、少しの間なら何の問題もないわ」

「綾は自分にプレッシャーをかけすぎよ。何もかも一人で抱え込む必要なんてないんだから。私がついている限り、あなたに辛い思いはさせない」

白井雪葉は輝くような瞳で黒川綾を見つめた。その言葉に嘘偽りはなく、すべて彼女の本心からのものだった。

自分が最も追い詰められていた時、救いの手を差し伸べてくれたのは黒川綾だった。他人の前で尊厳を守ってくれたあの時の恩義がある以上、彼女の窮地を見て見ぬふりなどできるはずがない。

勤務時間に影響がないとはい...

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