第284章

「どうだ、例の件について結果は出たのか」

「言い訳じみた戯言など聞きたくない。黒川綾の所在が掴めていないのなら、ここで俺の時間を浪費させるな」

坂東勝という男は根っからの商売人だ。すべての行動原理は自らの利益に基づいていることを、水原拓真は熟知していた。

この男を本気で動かそうとするなら、それに見合うだけの十分な利益を提示するほかない。

水原拓真の冷淡な言葉を聞き、坂東勝の声には隠しきれない恨み節が滲んだ。

「水原社長、あなたが私のことを常々見下し、冷遇されているのは承知しております。ですが今回ばかりは、あなたの指示を受けてわざわざ奔走したのですよ」

「相変わらずの素っ気ない態度...

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