第303章

まさかこれほどあっさりと、吉野文詠に却下されるとはな。

水原拓真は顔を上げ、吉野文詠を冷ややかに見据えると、念を押すように口を開いた。

「本気で言っているのか? 我々が作成したこの契約書に不満があると。アンタに……いや、アンタの会社に、それを拒否するだけの権利があると思っているのか」

「悪いことは言わない。まずはボスに連絡を入れて、この条項についてじっくり話し合うんだな。結論を出すのはそれからでも遅くはないだろう」

水原拓真は、この契約内容に絶対の自信を持っていた。

これ以上の譲歩などあり得ない。もし向こうが引かないなら、提携など打ち切ればいいだけの話だ。

海外市場の開拓は重要だ...

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