第320章

「水原社長の件ですが、くれぐれも他言無用でお願いします。たとえどれほど信頼できる身近な人間であっても、誰の依頼で動いているか決して漏らさぬよう」

「さもなくば、社長の知るところとなった暁には、必ずや責任を追及されるでしょう。そうなれば、今後社長とビジネスをするなど、到底望めなくなりますよ」

秘書は、水原拓真という男の性質を熟知している。たとえ真実を究明したいと願っていても、決して事を荒立てるような真似は好まないはずだ。

坂東勝自身は口が堅く、信用に足る人物に見える。だが、彼の手下にいるチンピラ連中までそうかと言えば、話は別だ。

万が一、誰かの口から情報が漏れれば、水原拓真に迷惑がかか...

ログインして続きを読む