第329章

そう答える黒川綾を見て、水原拓真はようやく胸のつかえが下りたように微笑み、深く頷いた。

「そう言ってくれて、本当によかった。これからは時間があれば、俺も一緒に付き合うよ」

黒川綾は何も答えず、輝星を連れて先に寝室へと戻っていった。

どこかおかしい――水原拓真は違和感を覚えたが、具体的に何がおかしいのか、どうしても言葉にできなかった。

そんな折、水原雪乃から急報が舞い込んだ。

黒川綾がデザインした作品に問題が生じたというのだ。ある零細デザイン事務所の作品と酷似しており、相手はすでに弁護士を立て、盗作として黒川綾を提訴する構えを見せているらしい。

事の重大さを、水原雪乃は痛感していた...

ログインして続きを読む