第334章

白井雪叶はその返答を聞いて、思わず安堵の息を漏らした。

相手が自ら会うことに応じたということは、この件についてまだ交渉の余地があるという証拠だ。

提示される条件が過度なものでなく、会社に悪影響を及ぼさない限り、多少の妥協は受け入れても構わないと白井雪叶は考えていた。

白井雪叶は黒川綾に電話をかけ、この知らせを伝えた。

だが、黒川綾は少しも喜ぶ様子を見せず、むしろ心をさらに沈ませた。

相手がこれほど堂々とした態度で面会を受け入れること自体、どう考えても不自然だった。

もし本当に相手の会社が黒川綾の作品を盗作したのなら、これほど悪びれもせずに黒川綾と会えるはずがない。

しかし黒川綾...

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