第342章

これまで、水原拓真が面会を渋っていたのは、心の底から吉野文詠を見下していたからに他ならない。

彼女とこれ以上、何の関わりも持ちたくなかったのである。

だが、今回は違う。水原拓真のほうから面会を求めたのだから、自然とその態度にも変化が生じる。

水原拓真は吉野文詠の正面に無造作に腰を下ろすと、彼女の傍らでずっと俯いている男へと視線を向けた。

「こいつが君のボスか?ここまで礼儀を知らない人間は初めて見たな」

「腐っても俺は客のはずだが。お前たちはそうやって客をもてなすのか?」

その言葉を聞くや否や、白井弦羽はゆっくりと顔を上げた。鋭利な刃物のような双眸が、水原拓真の顔を真っ直ぐに射抜く...

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