第345章

吉野文詠は水原拓真の問いには答えず、むしろ彼の方へとゆっくり歩み寄っていった。

「水原社長、あたしの気持ち、ずっと前から痛いほど分かってるはずなのに。どうして一度もチャンスをくれないの?」

「あなたが黒川綾を好きなのは知ってるわ。でも、あたしのこの顔を見て。黒川綾と瓜二つじゃない?」

「どうして少しも振り向いてくれないの? 黒川綾といるより、あたしといる方が、もっと気持ちいいかもしれないわよ」

吉野文詠は絶え間なく水原拓真を誘惑し、意図的に身体を密着させていく。

すっと手を伸ばして水原拓真の腕を掴むと、彼の手を自らの豊満な胸元へと導いた。

「聞いて、この鼓動。すごく速いでしょ。あ...

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