第386章

「お嬢さん、俺のも訴えられるってことか?」

警備員は教養がなく、契約書も読めない。小切手を見てただサインしようとしていた。

黒川綾の言葉を聞き、彼は恐怖で体を震わせ、契約書を彼女のほうへ押しやった。

黒川綾は一瞥し、頷いた。

「私たちの契約書は全く同じ。どう思う? 彼らはあなたを恐喝で訴えるだけでなく、ネット上で被害者のふりをするつもりよ」

ネット上ではよくある手口で、少しも珍しくない。

企みを見透かされたというのに。

白井安は気まずさすら感じていない様子だった。

「少しは頭が回るらしいな。だが、よく考えろ。今日サインしないなら、ここから一歩も出られないぞ」

黒川綾はそこで...

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