第392章

媚薬を盛られていた。

黒川綾は意地っ張りだ。彼に助けを求めなかったし、他の男にすがるようなことなど絶対にしない。

24時間以内に発散させなければ、色情狂になってしまう。

あの気高い黒川綾がそんな姿に成り果ててしまったら、生きていけるはずがない。彼には想像もつかなかった。

ドクン、ドクン、ドクン。心臓が早鐘のように鳴り響く。

かつてないほどの焦燥感が胸の奥底に広がり、彼は大股で階段を駆け下りて車に乗り込むと、アクセルをベタ踏みした。車は弾かれたように急発進する。

帰宅するまでに、一体いくつの赤信号を無視したか分からない。

黒川綾が二階にいると知るや否や、階段を駆け上がった。

部...

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