第396章

デスクの上。そこに置かれた『株式譲渡契約書』という大きな文字が目に飛び込んできた。

黒川綾は一瞥しただけで視線を外し、静かに口を開いた。

「申し訳ありませんが、私にはできません」

「じゃあ、どうするつもり?誰かと手を組んで、水原拓真に対抗しようとでも言うの?」水原雪乃はコーヒーカップをテーブルに置き、鋭い視線を向けた。

彼女は一つの書類封筒を無造作に放り投げた。

封筒から滑り出したのは、黒川綾と見知らぬ男が一緒に写っている何枚もの写真だった。

一目瞭然だ。

これらはすべて、水原雪乃が調べ上げたものに違いない。

黒川綾は顔色を変えた。

「私を尾行させたんですか?」

水原雪乃...

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