第446章

二つの身体がぴったりと重なり合った瞬間。

衣服越しでも、男の放つ灼熱の体温がはっきりと伝わってくる。

黒川綾は一瞬にして現実に引き戻され、思わず身を震わせた。

「……夜にしましょう」

とにかく、今はそんな気分になれなかった。

病院で過ごしたこの数日間、水原拓真が何も求めてこなかったわけではない。一度など、互いに一糸まとわぬ姿にまでなったこともあった。

だが、なぜだろうか。目を閉じるたびに、老執事の涙と鼻水にまみれた顔が脳裏をよぎるのだ。

必死に自分を言い聞かせようとしても、どうしても心理的な壁を乗り越えることができなかった。

黒川綾の瞳に浮かぶ拒絶の色があまりにも明らかだった...

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