第447章

廊下の向こう側。

山崎丈巳は悪態をつきながら歩いていた。

「あのクソどもめ、俺をコケにしやがって。兄貴の七光りで今の地位にいるとでも思ってやがる。俺は頭で勝負してんだ、俺のほうがずっと賢いってのにな」

ひどく酔っ払っており、足元はおぼつかなく、ろれつも回っていない。ふいに角を曲がったところで、誰かと正面衝突し、おまけに特注のイタリア製革靴を踏んづけられた。

怒り心頭に発した彼は、口を開くや否や怒鳴り散らそうとした。

「誰だコラ、どこに目ェつけて……俺の靴を……」

だが、その声は唐突に途切れた。

彼はその場に釘付けになった。

いやらしい目を丸くして、目の前の人物を見つめる。

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