第450章

その手が今にも服の中へ入り込もうとしていたその時。

吉野文詠は突然前に出て、山崎丈巳にすがりついた。

「そんなことしないで。さっきお医者さんに聞いたの。あなた、今は重度の脳震盪なんだから、こんなことしたら体に障るわ。治ったら、何でもあなたの言う通りにするから」

自分の言葉を証明するかのように、彼女は山崎丈巳の手を掴み、自身の胸元へと導いた。

そこに手が触れると、山崎丈巳は無意識のうちにそれを揉みしだいた。

胸に走る激痛に耐えながら、吉野文詠はとろけるような顔を装い、山崎丈巳の頬を両手で包み込んで口づけを交わした。

唇と歯が重なり合い、荒い吐息が絡みつく。

山崎丈巳はすっかり骨抜...

ログインして続きを読む