第459章

カメラのレンズ越し。

水原拓真の威圧的な視線がじっとレンズを射抜き、口角には血に飢えたような冷ややかな笑みが浮かんでいた。

その様子を目の当たりにした水原雪乃は、胸の奥に苦いものを感じながら、吉野文詠の背中を押して入場させた。

吉野文詠が姿を現した瞬間、会場の視線が一斉に彼女へと注がれた。

彼女は深く息を吸い込み、ビジネスライクな笑みを浮かべて歩み寄ると、水原拓真と肩を並べて立った。

美男美女の並びは、まさに天作の配剤。

誰の目にもお似合いのカップルに映る。

吉野文詠が一歩踏み出し、水原拓真の腕にそっと手を回そうとした瞬間、彼は身をよじってそれを避けた。

水原拓真のその素早い...

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