第462章

室内は水を打ったように静まり返り、針の落ちる音さえ聞こえそうだった。

水原雪乃は愕然として顔を上げ、その瞳には信じられないといった色が浮かんでいた。

「急がないから、ゆっくり考えるといい」

白井弦羽はスマートに立ち上がり、その場を後にした。

遠ざかるその背中を見つめながら、水原雪乃は深い思索に沈んだ。

コン、コン、コン。

再びドアを叩く音が響き、ボディガードが慌ただしく駆け込んできた。

「水原社長、社長がすでに奥様を見つけ出しました。現在はお二人ともプライベートクリニックにいらっしゃいます」

水原雪乃は深く安堵の息を吐き出したが、すぐにその顔を怒りに歪ませた。

無事に見つか...

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