第522章

薄明かりが差し込む。

夜が明けた。

黒川綾が目を覚ますと、まん丸な小さな顔と、葡萄の粒のような瞳が真っ先に飛び込んできた。

小さな女の子というのは、どうしてこうも可愛いのだろう。

朝からこんなに甘い笑顔を見せられたら。

見ているだけで心がとろけてしまいそうになる。

たまらずその小さな頭を撫で回し、額にそっとキスを落とした。

「おばちゃん、キスしちゃダメだよ。ママがね、私にキスしていいのは未来の旦那さんだけだって言ってたもん」

ふふっ。

母親というのは、本当に何でも教え込むものだ。

黒川綾は微笑んだ。「はいはい、防犯意識が高いのはいいことね。それじゃあ、まずはご飯を食べに行...

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