第556章

水原拓真は大股で歩み寄り、その箱をひったくるように手に取ると、すぐさま踵を返した。

水原雪乃は眉をひそめた。

「何をするの? よく見てちょうだい、それは輝星には似合わないわ。もし気に入ったのなら、後で別のプレゼントを買ってあげるから」

わざわざ海外にいる子供のためにプレゼントを買い、しかもそれを黒川綾の目の前で見せびらかすのは、いささか間の悪い話ではある。

手に入れた時点ですでに考えてはいたのだ。後ほど輝星にもっとふさわしい品をオークションで落札し、それを彼に贈ろうと。

これで上手くバランスが取れるはずだった。

だからこそ、せっかく手に入れたこのお守りを水原拓真に奪われるわけには...

ログインして続きを読む