第561章

雇われの身からすれば、誰がボスであるかなど興味のないことだ。

彼らの関心事は、いくら給料をもらえるのか、それで生活していけるのか、ただそれだけである。

アシスタントはため息をついた。

「ただ、あまりにも惜しいと思いまして。お嬢様なら、すべてをご自身の手中に収めることも十分に可能でしたのに」

「他の人から見れば、この会社は価値があって役に立つかもしれない。でも私にとっては、何の旨みもないただの厄介な代物よ。これっぽっちも欲しくないわ。ここにいると、母のことを思い出してしまうから」

この会社は、苦痛に満ちた記憶の塊でしかない。

母が最後にこの会社を訪れた時の、あの絶望に打ちひしがれた...

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