第580章

林田月香は傍らに静かに座り、両親の攻防を見守っていた。

明らかに、二人の意見は対立していた。

しかし、勝負はあっけなくつき、林田奥さんが勝利を収めた。林田当主は、林田月香を会社に入れると決定したのだ。

これに対し、林田月香の頭の中は疑問符でいっぱいだった。

自室に戻るなり、彼女は矢も盾もたまらず口を開いた。

「お母さん、私が家督争いに加わるのは反対だったんじゃないの? どうして承知したの?」

その切羽詰まった様子を見て、林田奥さんは思わず吹き出した。

「この馬鹿な子、何を考えているの? お母さんがそんなにえこひいきする人間だとでも思っていたの。私も反省したのよ。これまであなたに...

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