CH11

モーガン

まるで時が止まったかのようだった。ツネオは私を受け止める構えを見せたが、私がその顔面に剣を突き立てるより早く、シャン医師が私を抱き止め、宙へと持ち上げた。言葉が出なかった。怒り、苛立ち、そしてこれまでに起きたすべての重圧が、一気に爆発したのだ。ツネオは辺りを見回し、揺らめく壁の様子を眺めていた。脳裏に、恐怖に駆られ逃げ惑う人々の姿が浮かんだ。揺らめく空が歪み、まるで燃え盛る炎のように赤く染まっていくのが見えた。

私を見つめるツネオの目が大きく見開かれた。

「殺してやる!」私の声は轟音となって響き渡った。「お前なんか殺してやる!」

「そのような真似をさせるわけにはいきません」シ...

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