CH125

モーガン

彼女の言葉、そしてその表情に、私は思わず眉をひそめた。

「庭を少し、一緒に歩きませんか?」

彼女は驚いたようだったが、小さく頷いた。私たちは後宮の回廊を進んでいった。やがて、庭園へとたどり着く。噴水のせせらぎが耳に届き、そこが私が目覚めた場所とは全く異なる庭園であることに気づいた。

ジュン様は身をかがめ、その繊細な指先で月下美人の花びらを優しく撫でた。彼女は物思いに耽っているようで、その表情には憂いと疲労が入り混じっていた。

私はゆっくりと近づいた。彼女が何を語るのか、興味があったからだ。これまでの経緯はともかく、私は彼女に対して奇妙なほどの親近感を抱いていた。ジュン様は後宮の...

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