167

エリア視点

努めて無表情を装い、「入れ」と声をかけた。

扉がスライドして開き、入ってきた人物を見て、俺は口の端を歪めた。

「お前が訪ねてくるとは珍しいな。なんだ? ついに自分の身の程をわきまえたか?」

「私の体をあんたの顔に乗せてやる資格なんて、あんたにあるとは思えないけど」

俺は鼻を鳴らした。カタリン――俺の最も古い盟友の一人が部屋に入ってくる。彼女は俺の好みからすれば歳を食い過ぎているし、顔を横切るギザギザの傷跡のせいで醜すぎる。髪は長いが色が明るすぎるし、体つきも俺が楽しんできた多くの女たちのようなメリハリがない。だが、容姿にないものを、彼女は戦術的な才覚と実力で補っていた。非...

ログインして続きを読む