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モーガン

会談が正式に終わると、宮殿はあふれかえる人々でざわめき立った。私たちの放つ熱気が、広間中に響き渡っているかのようだった。ツネオは迷うことなく私を広間から連れ出し、脇の廊下へと進んでいった。私の手を握る力は強かったが、乱暴ではない。ただ、その沈黙には抑え込まれたエネルギーが重くのしかかっていた。アンゾが真珠の宮殿について真っ赤な嘘をついたことに、ただ腹を立てているだけなのかと私は思った。

だが、私たちはいつしか見慣れない通路へと進んでいた。

「ツネオ」私は声をかけた。「どこへ――」

「誰にも邪魔されない場所だ。そう遠くはない……もうすぐ夜の宴が始まるからな」

私たちは、豪奢な...

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