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モーガン視点

彼女は短く頷いたが、その声は張り詰めていた。

「何でもありませんわ、殿下」

「何でもないようには見えないけど」

彼女は奥歯を噛みしめ、値踏みするように再び私をじろりと見た。やがて、彼女は口を開いた。

「これまでの状況に、ただうんざりしているだけかもしれません」彼女の目が鋭く光った。「そして、貴女が昔からどれほど鈍感だったかということにね」

つまりこれは、パイラと、かつて亀の始祖であったアンゾとの間の問題ということか。彼女はあたりを見回し、これ以上どこまで言及していいものか計りかねているかのように顎を強張らせた。そして、寄りかかっていたテーブルから体を離した。

彼女は声を潜め、...

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