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ハルカ

狭い通りにカイの笑い声が響き渡った。彼は色鮮やかな装飾品で溢れる店を指差してはしゃいでいる。私はそのすぐ後ろをついて歩きながら、群衆の中に変わった様子がないか油断なく視線を走らせた。護衛たちも後方についてきてはいるが、この辺りに配置されている人数はまだそう多くない。

「これだよ!」カイはショーウィンドウのガラスに顔を押し付け、声を弾ませた。

私はかすかに微笑んだが、路地から現れた黒いマントの集団に気づき、すぐに意識を切り替えた。彼らの動き――あまりに計算され、あまりに正確なその挙動――が、私の神経を逆なでする。先の襲撃事件以来、逃走中の者がまだ大勢いるのだ。警戒しないわけにはいか...

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