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リュウ

ユウスケは呆れたように、しかし面白そうにため息をついて首を振った。

「ディナー前の余興にしちゃあ風変わりだが……独創的ではあったな」

俺は息を吐き出し、メニューに手を伸ばした。

「……さっさと食おう」

「まだ前菜も来てないだろう」

俺は何も乗っていないテーブルを睨みつけた。これから襲ってくるであろう頭痛を紛らわせるだけの酒があればいいのだが。

「そうだな」

レン

モップを掴んで戻ってきたときには、モーガンはもういなくなっていた。それには心底ほっとした。

脇腹にじわじわと広がる痛みをこらえながら、床の水たまりを拭き取っていく。深呼吸をして、目の前の作業だけに集中しようとした。そのう...

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