CH317

レン

口の中が切れて血の味が広がるほど強く頬の内側を噛みしめたが、私は視線を逸らさなかった。

「次は、恩知らずなクソアマへの罰だ」

ナラはそう警告すると、折れた私の指を軽く捻り上げた。走る激痛に、私は奥歯を噛みしめる。

「ごめんなさいと言え」

私は痛みを飲み込んだ。

「クソ喰らえ」

ナラはニヤリと笑い、まるで私が強情な子供であるかのように首を横に振った。「自分から状況を悪化させたくてたまらないようだな?」

私は顎を上げ、痛みに耐えながら荒い息を吐いた。「ここで死ぬのは私じゃない。私を差し出すまであとどれくらい時間があるんだ、この下っ端が」

彼の笑みが消えた。

またしても吐き気...

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