CH82

モーガン

私は彼女の攻撃をかわし、体が反射的に動いて自分の剣を抜いたが、彼女の手は緩まなかった。次の攻撃を受け止め、押し返す。彼女はニヤリと笑い、私を品定めするように見つめた。その瞳には高揚した光が宿り、らんらんと輝いている。剣を握り、使い方も心得ているはずなのに……私は緊張していた。彼女には、私がこの戦いに敗北するしかないと思わせる何かがあった。力においては、到底かなわないと心のどこかで悟っていたのだ。だが、私には俊敏さがある。そして、生き残りたいという意志がある。なんとしても彼女から逃げなければならない。

彼女は再び突進し、戦場を疾走してくる。剣戟(けんげき)が交差するたび、私たちの間...

ログインして続きを読む