CH88

ツネオ

奇妙なほど穏やかな気分で目が覚めた。内側で燃え盛っていた激しい怒りは、すでに和らいでいた。目を閉じれば、それが見えた。小さく煌めく光、闇の中にある希望の灯火。それはモーガン――この生ではそう呼ばれている彼女だった。

そう考えるのは実に奇妙な感覚だ。自分がツネオであり、同時にそうではないと知覚すること。これほど地に足がついた感覚は、かつてないものだった。

今。

かつて。

そんな区別に意味などあるだろうか?

今抱えていた不安の重荷が、肩からふわりと離れていく。私はハヤト――ツネオの父――に目を向けた。彼は一睡もしていないように見えた。ここ数日の出来事が、彼を疲弊させていたのだ。彼の中...

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